グラドジェネシス

設計・製造:???
改修:WG
搭乗者:ハーレム・デロロ・ガーネリア




ハーレムの愛機。


基礎フレームはガーネリアの鉱山から偶然発掘され、
約1000年前にWGによって改修された機体。
なぜそこに埋まっていたのかは謎である。

元は神機かオーバーギアであったと思われるが、
核となるジュエルがなく、機体も大破していたために判別は不可能。
改修時に、ガーネリア王家に代々受け継がれていた
パープルジェネシスと呼ばれるジュエルを植え込み、核としている。

もともとの性能はかなり高いようで、通常の武人では乗りこなせない。
幼少のハーレムが勝手に持ち出す事件があり、
その際に乗れることが判明する。
そして、そのまま彼の遊び道具になっている。

彼の要望によって、従来より接近戦用の機体として仕上げてある。
耐久力よりも、反応のよさに重点が置かれており、
まるで生身のような動きを体現できる。
また、オートカウンターなど、様々な機能が搭載され、
防御面でも優れている。

スペックとしては、ナイトシリーズを上回る数値を持っているが、
未だにハーレムと噛み合っていない印象を与える。
全力を出すに値する相手がいないことが原因と思われ、
宝の持ち腐れとなっている。
特殊なシステムが内臓されているらしいが、その正体は不明。


なお、本来は一つだったフレームであるが、
製造の際に二つに分け、兄弟機としてGG(ガーネルジェネシス)
という機体が製造
されている。
ガーネリア王家の血筋は戦士系統のため、
基本的には接近、格闘戦用の機体であり、重装甲タイプである。
こちらも同様に、王家の至玉が埋め込まれている。

GGは皇帝機として存在し、ハーレムの祖父である
ヴァラン王が使用していたが、
現在はヘターレが乗らないために格納庫で眠っている。




アンバーガイゼル

設計・製造:???
搭乗者:ゼッカー・フランツェン





ゼッカー・フランツェンの愛機。
通称【杭打ちの悪魔】


ゼッカーが操る謎の機体。
神機なのかオーバーギアなのかもわからない。
彼の端整な顔とは相反して、禍々しい姿をしている。

明らかに通常のMGとは系統が異なり、
神機に似てはいるが、むしろ鬼機に近い印象を受ける。
精神をシステムと直結し、痛みも共有していることからも
神機と同等のシステムが組み込まれていると思われる。

戦闘方法は主に接近戦だが、戦い方は極めて特殊である。
両腕にはジュエルが植え込まれており、独自に動くことができる。
悪魔の爪は強靭で、確実に敵を貫く。

そのうえジュエルには、彼の戦闘パターンが蓄積されているため、
ゼッカーの【意思】の介入なしに動く。
相手の意思を感じ取って行動を予測する武人にとっては、
非常に戦いにくい相手である。
見た目以上に素早く、回避率も高い。

防御面も強力で、障壁および、自己修復能力も併せ持つ。
単機でも作戦行動が可能な特機である。


全高約14メートルと、やや大きい機体である。
ちなみに、ISBは約18メートル。





グリーンナイト-048

設計・製造:WG
搭乗者:サンチョ・ポンデール





レマール王国に配備されていたグリーンナイトの一機で、
サンチョと共にガーネリアにやってくる。

緑騎士シリーズの特長は、その安定性にある。
黒騎士99シリーズが、癖の強い機種ばかりであるのに比べ、
全ての機体でハイパフォーマンスを実現している。
その分だけオーバーギアとしての面白みに欠け、
特殊な扱い方はできないものの、指揮官機としては優秀である。

とげとげのごつい容姿から、
グーリンネヴィード【いがぐり坊主】と呼ばれる。




ハイテッシモ

設計・製造:WG
搭乗者:ジーガン・ローゲンハイム





OGの中でもトップクラスの性能を誇る機体で、
WGの公式資料によると、
最高品質ネーパリック【祝福された奇跡】ランクに該当する。
紛れもなく、ガーネリア帝国最強の機体。

攻防において非常に強力な機体で、弱点が存在しない。
重装甲だが、機動力も失われておらず、
高速移動からの打ち込みが可能である。
武装はハルバードタイプの槍で、切ることも突くことも可能。
乗る者には、最低でも片手で振り回すだけの膂力が求められる。

また、最大の特徴は広域攻撃が可能な点にある。
背から太陽熱を吸収し集束、一気に撃ち出すことが可能。
取り込んだエネルギーにもよるが、光を集中させれば
戦艦の砲撃並みの力を発揮することも可能。

本来の使い方は、敵の陣形を崩すためのもので、
致命的なダメージを与えるためのものではない。

ただ、性能が高い分、扱うことが非常に困難である。
通常の武人が乗っても、振り回されるのが落ちであり、
ジーガンだからこそ扱える機体といえる。


滅多に戦場に出ることはないが、
この機体が出てきたときこそ、敵味方どちらにとっても正念場である。

光を使った攻撃、黄金の装甲など、ISB(賊王街)と酷似する部分があり、
製造には「とあるろくでなし男」が関わっているという噂がある。




マイゴーン 

設計・製造:WG
搭乗者:コンゴーン・ガロッソ





コンゴーン・ガロッソの機体。オーバーギア。
重装甲MGで、前衛で盾にもなれる耐久力がある。
コンゴーンの戦い方は騎士らしいもので、
それに見合うだけの正統派のMG。

毎回ハーレムにボコボコにされても大丈夫なのは、
この機体の性能もあるだろう。極めて優秀なMGである。

開発者は不明だが、
内部の構造が似ているため、恐らくは赤騎士のスタッフが関わっている。
ある意味では、
フランベルジュの親戚でもある。

フレンベルジュと比べれば微弱だが、電磁フィールドも展開できる。




ラカン

設計・製造:呉劉(ごりゅう)社
搭乗者:ネルカ・グランバッハ





呉劉社の特機型MGで、相手側の売り込みによって
実戦データの提供と引き換えに無償で引き取ったものである。
ラカンのデータから、量産型も造られている模様。

かなり大きな機体であるため、部品や装甲の互換性はない。
そのため、壊れるたびに新しく部品を付け替えるため、
今では最初の外見とは異なっている。

かなり癖のある接近格闘用の機体であるが、
その耐久力と打たれ強さは群を抜いている。
極めてシンプルな造りで直進的な行動しかできないがゆえに
恐るべきパワーを秘めている。

ネルカが気に入り、彼の専用機となる。
彼の防衛戦の上手さとは抜群の相性である。

龍をイメージした装飾が粋。
ちなみに両腕のクローは、ネルカが勝手につけたものである。




バッドキャンサー

設計・製造:セクターワン
搭乗者:マリー・ザ・ブラッドマン





セクターワンのMGキャンサーを
重火器搭載型に改良させた機体で、マリーが命名したカスタム機。

高火力を追及し、圧倒的な攻撃力を有するが
いかんせんバランスが非常に悪く、
敵陣に突っ込みひたすら砲撃するしかない。
攻撃があれば防御は要らない、という恐ろしい思考。

強襲専用機とも呼べ、マリーの好み全開となっている。




シャガード

設計・製造:アーバン重工
搭乗者:一般、ヨシュア・ローゲンハイム





アーバン重工が擬似ナイトシリーズとして設計し、
主に指揮機としての運用が想定されている機体。

特筆すべきものはなく、ナイトシリーズには遠く及ばない。
しかし、量産されているMGの中では性能は高い。
コンボイとは基礎設計が異なっており、
優れた武人用の設定となっている。

ヨシュアのシャガードは、カラーリングが白(クリーム)になっており、
カスタム機として性能は上がっている。

通常のシャガードは、黒が基本色。




ジンクイーザ 

設計・製造:???
搭乗者:フレイマン





フレイマンが駆る特機タイプの試作機。
指揮官機用として設計されており、ガヴァルに似ている部分があることから、
両者を併用しての作戦行動を想定していると思われる。

機動力を犠牲にした代わりにパワーはかなり強い。
バズーカを廃し、シールドを装備したので、耐久力にも優れている。
接近戦においては、かなり重厚な戦い方が期待できる。

遠距離攻撃用として、キャノンを背に装備している。
使用するときは、シールドを前面に立てて重心を前にかけ、
反動で倒れないようにする。
そのため、移動しながらの発射は難しい仕様となっている。
命中精度も高くないため、あくまで補助的な武器である。

また、対銃術式が付与されており、
明らかに新しい技術が使われている。
ガヴァルと同じく、簡単に手に入るMGではない。




ガヴァル 

設計・製造:???
搭乗者:傭兵部隊バラドック




傭兵部隊バラドックが使用する謎のMG。
今までの量産型MGとは比べ物にならない性能を誇り、
コンボイ程度では防ぐことはできない。

武装は、片手用の小型バズーカとギロチンブレード。
この時代では、銃と剣を併用しているMGは稀である。
性能が低いものが多いため、どっちつかずになる危険性がある。
だが、ガヴァルは問題なくこなすことができる。

それだけガヴァルの性能が高い証拠であり、
一介の傭兵団が持てるMGではない。

試作機もしくは、限定先行生産された量産型タイプの試作機だと思われる。
アヴェロン戦争で使われたコマンダー用ガダラゴンよりも性能は高く、
ラグズゴンに匹敵する加速力を持つ。




コンボイ

設計・製造:アーバン重工
搭乗者:一般、ガーネリア帝国




ガーネリアの主力MG。

清水社からの技術供与を受けたアーバン重工が、
初めて量産にこぎつけた汎用MG。
上は砲撃タイプの機体だが、接近仕様もある。

安価で比較的安定した性能を持ち、この時代の量産型MGとしては
それなりに優良機と呼べる。
清水社が発表したガダラゴンと比べると、耐久力では劣るものの、
駆動系のシステムは優れている。

腕を取り替えることで、簡単に仕様を変更できることも好評。
随所に清水の技術が使われているため、
部品に互換性があるのも嬉しい。

能力は、中の下。




ロックペック

設計・製造:セクターワン
搭乗者:一般、ガロッソ帝国




ガロッソの主力MG。

初期型のMGであり、セクターワン社のデビュー作である。
一般のMGに多く見られる手足はなく、汎用性は低くなったが、
その分だけ重心を安定させている。
いわば、ドドラのような戦車の亜種のようなMG。
MG開発競争の初期には、このようなMGが多く作られている。

小回りが利く機体であり、機動力はそこそこある。
何よりも安価で、使い捨てにされることも多い。

武装はミサイルランチャーと機銃。




チップデール 

設計・製造:トマト工業株式会社 (トマトの実家)
搭乗者:トマト・ポテトース





トマトの機体で、主に索敵や偵察、調査用のMGである。
高いところで細かい作業をするためのアームがあり、
修理・補給用としても活躍する。

技術者であるトマトの父親が独自に制作した
オリジナルで、
工業用のMGがベースとなっているため、戦闘向きではない。

ただ、特殊なセンサーやジャマーを装備しており、
サポートと割り切れば、それなりに使える。

MG用の燃料は使うものの、
移動の際は車のような排気ガスが出る怪しい機体。
赤い樽のようなバックパックには、
食料や生活品など、様々なものが混入されている。

量産型のチッパーデールが売りに出されているが、
外見が同じために不評である。




第一次大戦以前のMG事情


アヴェロン戦争(賊王街)の時代に比べ、MGの絶対数は少なかったが、
その分だけ
高性能なオーバーギアが多く残っていた。
神機も比較的多く見られ、
象徴のような扱いであった。

そもそも、MGを大量生産するという発想がなく、
WGによる技術独占もあり、限定的な扱いに留まっていた。

それが変化を始めたのが、大陸暦7000年代に入ってからである。
マクラーレンや清水などの企業が独自に研究を始め、
みようみまねで工業用のMGを生み出したことがきっかけである。

当初のMGは、
まったくもって役立たずであった。
物を運ぶならば輸送船に負け、戦闘は戦車に負けた。
とはいえ、戦艦を筆頭とする造船業界が活発なのに比べ、
自動車、通信業界は限界を感じており、
新たな事業としてMG企業と共同開発を行っていく。

その結果として、戦車とMGが合体したようなドドラ初期型を
呉龍社が発表するなど、少しずつ発展が見られていた。

ただ、やはり戦闘に特化させるには、オーバーギアに導入されている
武人の戦気を動力とするシステムが必須であった。
それがなければ、ただの兵器と同じであり、
高性能戦車を製造した方が効率がよい。

それが解決できずに、業界は行き詰る。
それを打開したのが、
WGからの情報漏洩事件であった。

大陸暦7110年、
何者かによってWGのMG技術が持ち出され
外部に流出することとなる。
それにより、MGの生産は加速していくこととなった。


それを受けて、各企業はしのぎを削る。
試作機が多く生み出され、ふんだんな資金を投入された結果、
数は少ないものの、性能が高いものが作られていく。



アヴェロン戦争が起こった7215年との相違点


1、昔の方がオーバーギアが多く、騎士単体のレベルも高い。
神機も同様に多く存在した。

例、ジーガン・ローゲンハイムは、バルディよりも強い。


2、特機と量産品の性能差に、より大きな開きがある。
技術的な問題と、鉱山の確保が不足している。

3、MG同士の
大規模集団戦闘が確立されていない。
(大国は検証はしていたが、実戦数は少ない。
主に一騎打ちや小規模の戦いが多かった)

4、今まで見向きもされなかった鉱物が、MG用に転用できると知り、
資源争奪戦の流れとなる。

5、マクラーレン社は、まだまだ中堅。
大戦中に猛追し、一流企業へとのし上がっていく。
そのため、国家の融資を受けるべく、各社が必死である。
清水社やヴィルヘルム以外にも、数多くの企業が乱立している。

6、大量生産に入る前の先行量産では、
良質なものも多いことがある。
試作機の量産タイプのため、かなり豪華な造りとなっており、
ガヴァルのような優秀なMGも生まれている。


7215年当時は、すでに安価なMGが確立されていたため、
数を取るか質を取るかの違いもある。(集団戦闘の確立が影響)
小国は数合わせのために、安価なMGを大量に仕入れることが多い。



大戦後は、質より量の流れとなっていく。




★当時の傾向

オーバーギア(OG)との差が歴然であるため、
量産型近接用MGには、重装甲のものが多い。
機動力を犠牲にしても、相手の攻撃を受けきるためである。
軽量かつ高性能が進むのは、やはりインダラの登場を待つ必要がある。

また、剣を最初から装備していないMGも多い。
接近戦ではOGには勝てず、はじめから捨てている。


★7176年時の機種


神機:

古来から存在するブラックボックスが多い機体。
性能は桁違いだが、絶対数は少ない。
第一次MG大戦では、100機近くの神機が確認されている。

オーバーギア:

WGから定期的に提供されていた超高性能MG。
情報漏洩によって、民間企業も整備が可能となる。
主に、各国の騎士団に配属されている。
ナイトシリーズがこれに該当する。

高性能試作機:

大型なものから小型のもの、武装も様々な試作特機。
これをベースにして、技術が進歩していく。
だが、ほとんどの機体は、オーバーギアには敵わない。
傭兵を含めた、様々な場所で実験を重ねており、

ただ、稀にWG製品以上の力を持つ機体も生み出される。
ジンクイーザなどがこれに該当する。

量産型軍用MG:

試作機から得られたデータを基に、先行生産したもの。
試作機一機に対して、およそ100程度生産し、性能を試している。
性能がよければ、正式に採用。
軍隊、一般向けに販売を開始中。

工業用MG:

従来のものをパワーアップし、汎用性を高めたもの。
トラクターのような機種も存在する。
トマトのチップデールは、これを軍用に改良したもの。
戦闘能力は劣るが、サポートに適しているものが多い。



大きな騎士団では、MGを万以上持つところもあるが(ルシア帝国等)、
まだまだ発展途上は否めない。
多くの騎士団は、オーバーギアを中心として編成している。
小規模の騎士団では、30機あれば十分である。
100機あれば、相当な数である。
戦闘では、主に戦艦の破壊やMG同士の戦いに使用される。


第一次MG大戦中は、
全世界で約300万機近くのMGが製造されたとされる。
非公式なものを含めれば、さらに膨れ上がるだろう。






大戦前の戦闘方法


MGを使った戦いも当然ながら存在するが、
性能の低さや希少価値から、人間同士の戦いで使用されることは少ない。

MGの量産が始まってから、少しずつ増えたものの、
MGだけで戦う軍は存在しない。

戦争となった場合の主な戦い方は、
艦隊戦である。
大艦巨砲主義の時代であり、かなり派手な砲撃戦が主体となる。
その合間に、戦車などの兵器を使った戦い、歩兵同士の戦いなど、
MG以外の兵器を使っての戦いとなる。
巡洋艦、駆逐艦クラスの扱いが重要となる。

基本的には、敵の旗艦を落とすか、象徴となる人物の戦死および確保、
敵拠点の制圧によって戦いは終結する。

この時代は、戦艦の操舵技術や、様々な艦を使った戦術が開発され、
武人でなくても戦える時代であった。
一番の激戦区は、今も昔も歩兵部隊である。
制圧する際には、人そのものが乗り込まねばならず、
強い武人が求められていた。

また、戦艦の主砲に制限はない時代でもあり、
人に向かって撃つことも可能であるが、滅多に撃たれることはない。
MGに関しても同様で、撃つことは可能。

ブーリガン曰く、「かつては、艦隊戦こそ戦の華だった」。

だが、MGの大量生産によって、艦隊戦は衰退していく。





パワードスーツ


作中では、機動装甲兵(パワードスーツ)が出てくる。
【MGの小型化】が最終的なコンセプトで、
この時代でも開発は進められている。

まだまだ問題は多く、装甲兵程度の扱いではあるが、
その発展系がロバート(賊王街)がつけているものである。
こちらは
【人間のMG化】という似て非なるコンセプトを持つ。

武人本来の動きを体現させるために、
最新鋭のものはすっきりしているのが特徴である。
ジュエルや素材の変化によって進化していくものだが、
最終的な答えは、「人こそ最高の存在」に行き着くのだろう。

ただし、どのようなスーツを着ようとも、最高の人には敵わない。