ハーレム・デロロ・ガーネリア


今作品の
主人公
グラドジェネシスを駆る、ガーネリア帝国の第一皇子。18歳。


自分が皇子という自覚もなく、毎日を気ままに生きている少年。
ガロッソ王コンゴーンとの戦いも遊び半分に考えており、
自身の圧倒的な力を持て余す日々が続く。

性格は、少年らしいぶっきらぼうなところもあるが、
根は優しく、甘えん坊なところもある。
育った環境のためか、いつも偉そうにしている。

まだまだ
子供としての価値観しかなく
全ての優先順位は、
ベラ・ローザへの愛情に偏っており、
国のことを考えている様子はない。

そのためか、アリエッサの正論に対して憤慨することもある。
彼自身としては、アリエッサに好意を抱いており(友達として)
今までのように仲よくありたいだけである。
ただ、お互いの国の事情によって触れあえないことに
苛立っている。


幼い頃に母親を亡くしたために、
母性に飢えているところがある。
ゆえに、乳母であったベラに深い愛を覚えている。
彼女を后にしようと考えているが、上手くいかないでいるのがもどかしい。
未だに彼女からの授乳を懇願するのを見ても、
極度の乳好きでマザコンとも言える。

反面、父親に対しては非常に厳しく、見下しているふしがある。
なぜ母親のルルが、彼と結婚したのか理解できないでいる。


また、武人としての潜在能力は、底が知れない。
実戦経験もほとんどない状況で、ゼッカーに危機感を与えるほどの大器。
戦士タイプで、肉体を使った打撃を得意とする。
見た目以上に耐久力があり、タフでもある。

今回の戦いによって、彼は大きく成長していく。
彼が【英雄】と呼ばれるのはまだ先であるが、
この戦いが強い影響を与えたのは間違いない。






ゼッカー・フランツェン


今作品のもう一人の
主人公。28歳(大陸暦7176年時)
「十二英雄伝」の主人公でもある。
純血ルシア人の父を持つハーフでもある。


この作品の後に起こる

第一次魔人機大戦の英雄の一人。
アンバーガイゼル【杭打ちの悪魔】と呼ばれる謎の機体を駆る

表舞台にはさほど名は出てこないが、大戦の中核に位置する男で、
彼によって大戦が引き起こされたといっても過言ではない。
バルディの母メリルやティンたち、
十二英雄の宿敵でもあり、
大戦の裏で世界を操る危険人物である。

極めて高い知能を持ち、物事の本質を見抜く能力に優れる。
彼の最大の力は、その慧眼、戦略眼にこそある。
常に未来を見据えた動きをし、戦いにおいても全て計算している。


武人としての能力も天才的であり、
メリルとジャンヌを二人同時に対しても圧倒できるだけの力量を持つ。
過去負けたのは、腕試しと覇王ゼブラエスに挑んだ一回のみ。

特異能力者であり、
ジュエルを三つ同時に操るレアな能力を持ち、
系統が違う技も放つことができる。
また、ジュエル数の制限はないため、状況に応じて使い分けることができる。
一瞬でジュエルの心を奪うことができる異端の能力者。
(通常、ジュエリストは、一つの石としか同化できない)

戦いとなれば、相手を殺すことにためらいはなく、
ハーレムを相手にしたときも、あらゆる手段を使って揺さぶる。
防御、バランス重視の武人ともいえる。


性格は、極めて冷静で苛烈。
育った環境からか、
愚者に対してひどく厳しい態度をとる。
特に無能な権力者や、合理的でない行動をする者たちを憎む。
それは、彼の生い立ちが大きく影響している。

だが、女性や弱者に対しては甘い部分もある。
彼自身はかかわりあいになりたくないと思っても、
場合によって情に流される面も見られる。
一度した約束は絶対に破らないことを信条としている。



また、歴史上の評価は総じて高い。

第一次MG大戦においての防御重視の近代戦術や、
集団MG戦闘の基礎を構築した
ともいわれ、
大軍をもって防御陣形を築き、一気に押し上げる戦術は、
全てのMG集団戦闘の基本とされる。
(正統派と呼ばれ、バルディも踏襲している)
今では、ほとんどの軍隊がその戦い方を継承している。


この姿は、今作品の大陸暦7176年時、28歳の頃。
彼が大戦を引き起こすトリガーを引くのは、この約二年後。
そして、実際に動き出すのは、五年後である。
そのために様々な準備をしている最中と思われる。

彼はある目的のためにガロッソに訪れる。
だが、そこでの出来事は、彼にとっても意外なものであった。
アリエッサとの出会いが、悪魔と呼ばれる男に
人としての温もりを思い出させる。

しかし、全ては哀しい
宿命の螺旋の中にある。
歴史では語られない彼の素顔を見ることができるだろう。
彼もまた、運命と宿命に翻弄されし英雄であった。

今作品では、若い頃の彼の姿が描かれる。








アリエッサ・ガロッソ

ヒロインの一人、ガロッソ王国の王女、18歳。


コンゴーンの実の娘であり、
ガロッソの象徴的存在
父親からも溺愛され、国民全てから敬愛を受けている。
それは生まれ持った地位ではなく、彼女の人柄ゆえである。
常に民のことを考え、自分が王女であることへの自負を持っている。
気取らない優しさと強さを持つ彼女は、ガロッソそのものでもある。

ハーレムとは幼馴染ではあるが、
国の情勢が変わったために、10代に入ってからは直接遊んでいない。
ただ、かつては
二人の婚姻話もあがったほどであり、
そういう意味では、ガロッソの未来を支える唯一の人物。

身分もあり、ハーレムとの接触を拒んではいるが、
嫌いになったわけではない。
自分では、
ハーレムの姉(保護者)のような立場だと思っている。
いつまでも子供のハーレムを見ては呆れつつも、
羨ましいと思っているふしもある。


活発で社交的な性格であり、民の暮らしにも興味を持っており、
いうも民と一緒に生活をよくしようと働いている。
国の状況が芳しくなくても、常に笑顔を絶やさない。

コンゴーンと違い、武人ではない普通の少女である。
しかしながら、人を惹きつける何かを持っている。
その光に導かれるように、彼女のもとには様々な人物が集まる。
ただ、その状況に一番戸惑っているのは、彼女自身なのかもしれない。


また、その親しみある言動からは考えられないほど優れた人物であり、
非常に頭がよい。
物事を見通す目を持ち、世界の動向にも興味がある。
彼女の言葉は、真実を照らす。

【彼】との出会いが、彼女に新しい光をもたらす。
ゼッカーもまた、彼女の聡明さと不思議な魅力に惹かれていく。
めぐりりあうことは、誰にもとめられはしない。
それは、
【恋】であり、【愛】と呼ばれるものだったのかもしれない。


しかし、哀しみの宿命は加速していき、世界を燃やす炎となっていく。
彼女の存在が、全てを変えていく。







サンチョ・ポンデール


ハーレムの付き人兼、ガーネリア帝国の剣術指南。65歳。


もともとは
強国レマール王国の近衛隊長であったが、
ハーレムの母、ルルがガーネリアに嫁いだことを契機に退役し、
そのまま護衛としてやってくる。

剣の腕前は一流で、レマールでも五本の指に入る猛者であった。
様々な戦いで武勲を立て、
レマールの英雄とまでいわれていた武人で、
それなりに有名である。

しかし、国のために人を殺すことに疑念と後悔を感じ、
レマールを去ることを決めた過去があり、今でも
負い目を感じている。
それが、彼の剣を曇らせているのかもしれない。


ガーネリアでは最高の剣士の一人として騎士達に剣を教えているが、
筆頭騎士団長の
ジーガンからは敵視されており、
ことあるたびに摩擦が起きることもある。

幼い頃からハーレムの付き人であり、
勉学を含む様々な教育を行っているため、彼から信頼されている。
ヘターレがハーレムに対して何も言えないため、
代わりに厳しく接しようとしている。
だが、ベラがすぐに甘やかしてしまうため、苦言を呈することもある。


実直な性格だが、しゃれのわかる男でもあり、
時にはひょうきんな言動をすることもある。

騎士らしい戦いを好み、一騎打ちこそ武人の醍醐味と考えている。
MG操縦技術も秀逸で、単体での戦闘力はかなり高い。
ゼッカーに初めて会ったときから、
彼の中に眠る英雄の資質に気がつくなど、非常に眼力がある。


名機ナイトシリーズ、グリーンナイト-048
グリーンネヴィードを駆る。








ベラ・ローザ


ヒロインの一人、36歳。

ハーレムの母親ルルの従妹で、乳母。
レマール王国から、ルルの世話人としてサンチョと共にやってくる。

ハーレムの母ルルの父、レマール王弟の三女である。
ルルとは仲がよく、幼い頃から共に遊ぶ間柄であり、
相談相手にもなっていた親友。
レマール王家の血筋だが、継承権は完全に消失している。

線が細く、授乳が困難だったルルの代わりに、
ハーレムに乳をあげていたが、まもなく母親のルルが病死。
泣き叫ぶ彼を抱きしめながら、自分が
母親代わりになると誓う。
だが、彼女のガーネリアでの立場は非常に危うく、
サンチョとともに肩身の狭い暮らしを強いられている。


青い髪と金の瞳は、母親とそっくりであるため、
ハーレムは彼女に甘えまくっている。
また、ベラもそれを嬉しく思っており、甘やかす一方である。

母性に溢れた女性であり、常に穏やかで優しい。
だが、芯も通っており、非常にしっかりもしている。
ハーレムに対しては
母親以上の愛情を持っているため、
彼を守るためならば、なんでもしてしまう怖さも持つ。

結局、その愛情の深さを見誤ったことにより、
ガーネリアは激動を迎えることになる。


また、未婚で受胎経験もないが、乳は出る体質である。
未だに母乳が溢れることがあり、ハーレムが乳離れできない理由の一つ。
反面、
受精しにくい体質でもあり、
子供が生まれる確率はほぼない

そのことが王位継承権の剥奪にも関わったために、
本人にとってはトラウマである。

ハーレムとは相思相愛だが(母性的な愛情が強い)、
彼からの求婚を拒み続けているのも、
不妊が理由である。
また、ルルがガーネリアに尽くしたこともあり、
国の存続のためには、子が産める女性と結ばれて欲しいと願っている。

ハーレムは、アリエッサと結ばれるのが一番だと考えているが、
積極的には勧めていない。
つまりは、ラブラブであるが、歳の差や不妊症のために
素直になれていない
だけでもある。
また、愛情が深い分、かなり嫉妬深いところがある。


ちなみに術者であり、様々な攻撃術を操れる。
その戦術眼も確かなもので、レマールの参謀を軍略ゲームで負かすほどの知謀を持つ。
艦隊戦の腕前はかなりのもの。







トマト・ポテトース


ヒロインの一人、20歳。

本名は、「トマアト・ポテトーレススー」だが、
言いにくい名前のために、いつの間にか短縮される。
何度言っても相手が聞き間違えるので、本人はすでに諦めている。

なんといっても
不運であり、常に幸が薄い少女である。
極めて運が悪く、思い通りになることは皆無である。
ただ、どんな苦境に立たされても最後には脱するので、
ある意味では強運の持ち主なのかもしれない。


ベラとは違い、短絡的で無鉄砲な女性。
トラブルメーカーでもあり、彼女が災いの種になることもある。
彼女の行く先々には、いつも厄介ごとが待っている。
しかし、性格はとても明るく、いつもフランクな元気な少女である。

彼女は、いつでもニュートラルでナチュラル。
物事を自然な感性でとらえることができるため、
当たり前のことに気がつかされることも多い。


職業は
トマト株式会社の営業マン。
父親は下町の技術者で、工業用のMGを改造してしまうほどであり、
彼女のチップデールもその試作機である。

その量産タイプの販売を行っているが、
見た目が悪いためにかなり売れていない。
今回も、その営業のためにガネリアに訪れるが、
彼女の不運によって、予期せぬ騒動に巻きこまれていく。

ハーレムとは
最悪の形で出会うものの、次第に心惹かれていく。
もともと面倒見がよいため、まだ子供であるハーレムが放っておけず、
なりゆきであはるが、この戦いに参加することになる。


戦場をそれなりに渡り歩いているため、修羅場は潜っている。
暗殺者としての能力も持ち、調査能力はかなりある。










ヘターレ・ベガ・ガーネリア


ガーネリア帝国の皇帝、54歳。

ハーレムの父親であるが、
極度のへたれ
猫背でいつも自信がなく、息子とは正反対。
ハーレムからはかなり嫌われている。

先代のヴァラン王(ハーレムの祖父)は気が強かったために、
その個性に押され、卑屈な幼少〜少年時代を過ごす。
何に対しても優柔不断な性格となり、決断できない。

ただ、先代が遺したガーネリアの国力と政治、社会の安定のために、
今のところはさしたる問題も起こっていない。
近年は平和なため、彼の温厚な性格はむしろ好ましく、
よくも悪くもないという理由で、国民からも何も言われない。

それでも、皇帝という激務をこなしていることから、
実務能力はかなり高く、リーダーシップはある。
クズロなどの執政官と論戦できるだけの知識を持ち、
文官向けの皇帝といわれている。

ハーレムを一方的に溺愛しているため、
彼がかかわると人が変わり、大胆な行動もとってしまう。


かつてはその性格のためか、
女性と触れ合うことを嫌い、結婚を避けていた。
だが、
レマール王国との政略結婚を経て、ルルを嫁にもらう。
彼女の天使のような優しさに助けられ、
なんとか皇帝として即位することができた。

しかし、ルルが病死したために、再び弱気になってしまう。
子育ては、もっぱらベラがしていたために、
ハーレムの扱い方を知らず、どう扱っていいのかわからない。

本人は仲よくしたいと思っているのだが、相手にされていない。
未だに妻の死を引きずっており、ことあるごとに過去を懐かしむ。

また、コンゴーンとはシェイク留学時代の同期でもあり、
アリエッサも娘のように感じている。






コンゴーン・ガロッソ


ガロッソ王国の国王。54歳。

国王とはいっても、国自体はかなり小さく、
隣国のガーネリアからは相手にもされていない小国である。

水不足から、
イルミナ【生命の楽園】を手に入れようとするも、
毎回ハーレムに負けて逃げ帰っている。
それだけ困窮しており、財務状況も芳しくない。

一見すると悪人面だが、
統治者としては人がよすぎ、弱者を切り捨てることができない。
民のことを考え、様々な
福祉政策を実行するも、
財源、物資不足により頓挫している。
心配性なため、常日頃から不安にさいなまれている。

妻は死亡。
娘のアリエッサを溺愛しており、目に入れても痛くないほど。
彼女に負担をかけていることを心苦しく思っている。


ガロッソ王国の象徴機である、マイゴーンを操る武人であり、
戦闘能力はかなり高い。

このままだったならば、
彼は歴史に名を残すこともなく死んでいっただろう。

だが、今回の戦いが、
彼の眠っていた資質を目覚めさせてしまう。






フレイマン


反先進国組織アーズの実行部隊長、37歳。

ゼッカーを信奉し、補佐する大柄の男。
彼に忠実で、敬っているような素振りが多く見受けられ、
ゼッカーもまた、彼のことを信頼している。

彼が組織に入ってからの世話人でもあり、
幼いゼッカーを見た瞬間から、その大器に気がつく。

彼が理想とする、
貧困も差別もなく、誰も飢えることがない世界のために
組織という枠組みを越え、
絶対の忠誠を誓っている

テロや過激な手法による改革に罪悪感を感じながらも、
他に手立てがないために苦悩している。
だが、正義漢であり、非人道的な行為は絶対にしない。

また、天才がゆえに世俗に疎いゼッカーを案じ、
人としての幸せも考える世話焼きでもある。
公私に渡って重要な人物。


その風貌に似合わず、極めて真面目な性格で几帳面。
アリエッサの扱い方をフランツェンにアドバイスするなど、
意外と女性のことも知っている。
愛妻家でもあるが、現在は仕事のために離れて暮らしている。


戦士タイプで、大きな体躯を生かしての戦いを得意とする。
戦闘経験も多く、状況に応じて動ける猛者である。
とても優秀な人物で、補佐役としては一級品。

今回の戦いでは、試作MGジンクイーザを駆り、
傭兵部隊バラドッグ【錯乱した狂犬】を率いる。







マーサ・ハイレーン


ガロッソ王国、アリエッサの世話人。32歳。


アリエッサの付き人で、カーリス教徒の女性。
彼女が動くときは常に同伴しており、
最低限の護身術も身に付けている。

カーリス教徒ではあるが、年相応の俗世にも触れており、
アリエッサに対して姉のように振舞うこともある。
誰に対しても優しく、その人柄も愛されている。
少々茶目っ気な部分があり、初めての感情に戸惑うアリエッサを
からかったり、焦らしたりして遊ぶこともある。


もともとは、ガロッソの援助隊として派遣された
司祭見習いであったが、あまりの惨状に帰還を断念。
そのままガロッソに居座ることにする。

そして、周囲に女性が少なかったことからコンゴーンに請われ、
アリエッサの教育係兼世話人として城に住むことになり、
後に正式に司祭として就任する。

それだけ信頼されている証拠でもあり、
コンゴーンにとっても貴重なアドバイザーである。

カーリスでの階級は司祭。
術者の因子があり、癒しの術も扱える真言者である。
時々、ガーネリアにあるカーリス教会に通っており、
ガーネリアの内情にも多少詳しい。


ちなみに、恋人募集中。処女ではない。






ジーガン・ローゲンハイム


ガーネリア帝国の筆頭騎士団長。85歳。


ガーネリア最強の騎士で、六将軍筆頭、最家老の一人。
先代の王のもとで数々の武勲をたてた騎士であり、
第一騎士団を率いる
筆頭騎士団長でもある。

皇帝であるヘターレにも進言ができるほどの権限を持ち、
全騎士団の統括者であるため、軍部の最高責任者も兼ねる。


年齢だけならば老人ながらも、強い武人の血によって
今でも活力溢れる肉体を維持している。
また、
剣士と術者の因子を持つハイブリッド(準モザイク)であり、
剣の腕前はもちろん、魔王技も行使できる強者。

ジュエリストではないものの、
複数のジュエル媒体によって魔力を増強しているため、
常に障壁を展開させている。
単体で一個大隊以上の戦闘力を有する。
ローゲンハイム家の五宝の一つ、
当主だけが持てる聖杖バイエンドを持っている。

MG戦闘に関しても相応の実力を持ち、
超高性能機ハイテッシモを駆って出撃すれば、千の敵を屠り、
部隊を指揮すれば、万の軍勢すら相手にできる。


とても頭の固い人物で、融通がきかない性格である。
ことあるたびに格式を重視したり、ベラが子供を産めないことを
執拗に攻撃するため、ハーレムからは煙たがれている。
孫であり同じ将軍職でもあるヨシュアに対しても、
かなり厳しく接している。

しかし、それもまた自身の立場を理解してのこと。
強い権限を持つ者は己を律しなくてはならないとし、
自分にももっとも厳しい男。


ちなみに、六人の息子、三人の娘がおり、
孫を合わせると血縁者はかなり多い。

かつて盟主だったガーネリアの復権を願う
軍国主義者
平和な時代と称し、うかれている者たちをさげすむ。






ネルカ・グランバッハ


ガーネリア帝国の六将軍の一人、43歳。


六将軍の一人で、かなり陽気な中年男。
40歳になってもちゃらちゃらしているため、ジーガンからは
よく小言を言われているが、全く気にした素振りもない。

女中へのセクハラと軽薄な言動のために、
女性陣からの受けはかなり悪いらしい。
一方、面倒見がよいことから、ヨシュアなど若い騎士達からは
非常に人気がある。


戦闘能力は高く、ジーガンからも一目置かれている。
特に
防衛戦に関しては一級品で、損害を最小限に防ぐことができる。
彼の真骨頂は篭城での防衛にあり、砦を一つ預ければ、
どのような大軍相手でも一ヶ月は余裕で防ぎきる。

だが、戦うのは嫌いで、適当にやり過ごしているだけ。
敵を倒そうとは思わないため、同時に戦果もあげていない。
それを咎めると、すぐに
職を辞すと言うために、
なかなか扱いにくい存在でもある。

個人としての能力も防御に秀でており、
極めて高いレベルの防御技術を有している。
ハーレムが本気で殴っても笑っているくらい丈夫である。

やる気のない彼が未だに将軍職でいられるのは、
その能力の高さゆえと思われる。


楽観的なオッサンに見えるが、
お家騒動にて、兄弟を殺して当主になった過去がある。
血の暴走による事故だったが、本人にとってはトラウマになっている。
その過去のせいか、ヨシュアを弟のように可愛がっている。

根は熱血漢で真面目な男である。
愛国心は強く、国が揺れ動く様に心を痛めている。

マリーの人格を制御できる唯一の人物。







ヨシュア・ローゲンハイム


ガーネリア帝国の六将軍の一人、21歳。


ジーガンの孫で、孫の中では末弟に当たる青年。
六将軍最年少であり、軍部からは不満が出ることもあるが、
若いながらも名家ローゲンハイムの名に相応しい力に加え、
知性と教養を持ち合わせている。

とても爽やかなうえに童顔、容姿端麗なことからも
女性からの人気が異様に高い。

ただ、まだ若く、現実よりも理想を追い求める傾向がある。
潔癖主義で非戦争主義であり、現状に満足しているところがある。
戦争をするより、人々の安定を望む
穏健派(中道左派、リベラル派)
でもある。

そのこともあり、当主であり祖父でもあるジーガンには、
会うごとに説教を受けている。
偉大なる騎士である祖父を尊敬しつつも、
ガーネリアが軍事力を高めることに危険を感じている。


孫の中では、祖父の血をより強く受け継いだといわれており、
剣の才能は間違いなく天賦のものを持っている。
ジーガンもまた、彼を後継者として厳しく育てている。
ただ、状況を打開する決定的な力を持たず、
伸び悩むのではないかと危惧もされている。

兄弟は多いが、次期当主を巡ってのいざこざが絶えない。
そのため、グランバッハとは仲がよく、兄のように頼る面もある。

持つ者に守りの加護を与えるといわれる
ローゲンハイム家の五宝の一つ、エクスエンド(片手剣)を持つ。






マリー・ザ・ブラッドマン


ガーネリア帝国の六将軍の一人、推定年齢34歳。
通称ブラッドマリー。


将軍の中では唯一名門の出ではなく、
経歴には不明な点も多い女性である。

実際は元死刑囚で、牢に入れても看守を殺して逃亡する
S級犯罪者であった。
ジーガン自ら処刑しようとするが、グランバッハの勧めで
軍にスカウトした経緯がある。

彼女の罪の大半は、
そのほかの彼女が起こしたものである。
何か強い刺激があるとスイッチが入り、
突如として豹変する
多重人格者であると判明。
幼少期の両親による無理心中未遂が影響していると思われ、
時折、当時の記憶がフラッシュバックし、狂人化する。

普段は理性的で知性豊かな人格が支配しているが、
いざ戦いとなると好戦的な性格に変わる。
また、幼稚な人格、甘えん坊な人格、暴れん坊の人格等、
いくつかの人格を有していると思われる。

ただ、どの人格も極めて知能指数は高く、
主人格も安定していることが多いため、通常の職務に影響はない。
グランバッハとだけは、どの人格でも会話が可能であり、
不安定なときは、彼とコンビを組むことが多い。


一見すると危険な人物だが、
グランバッハ同様に武人としての技量は高く、
ガーネリア随一のガンマンでもある。
高火力の武装から、精密な動作が求められるスナイプまで
銃火器に関しての才能は豊かである。
改造した大型口径のリボルバーを好む。

奇襲攻撃を得意とし、攻撃に特化しているため、
グランバッハの防衛力と共に帝国の両翼を支える人材。
どの人格もグランバッハに好意を抱いている模様。

今作品で出てくる六将軍は、彼女を含めた四人のみ。
残り二人は南部の防衛にあたっている。






クズロ・バカーリ


ガーネリア帝国の国務執政官、33歳。


若くして執政官に任命された男で、確かに能力はあるものの、
マルタのせいでトラブルに巻きこまれ、
実力の半分も発揮できていない。

専門は、金融、流通経済で、市場の動向を常に監視し、
適切な投資や輸出入を行って利益をあげる役目である。
秘密警察長官でもあり、国内の不穏な動きを探る役割も持つ。
特に、保守派の軍国主義グループや
極左派の動きに注意を払っている。

また、
イルミナ【生命の楽園】の管理権限があり、
ガロッソがちょっかいを出していることに苛立ってもいる。
ハーレムが無償で決闘することにも反対しているが、
それに口出しできない小心者でもある。
(ハーレムからは、いつも殴られている)

当然ながら、大きな舞台とは縁遠い男であるが、
この戦いでは、彼もまた重要な人物となる。






マルタ


クズロの従者兼忍者、22歳。


クズロの従者であり、様々な雑用をこなす
青年
忍者としても優れており、クズロの命令には絶対服従である。
というのは本人の弁。
実際は、かなり大雑把でいい加減に職務をこなすため、
想定外の結果になることも多い。
クズロに対しての扱いはかなりひどい。

生まれは貧困区で、孤児。
女性のような容姿であるため、
男娼をさせられていた。
奴隷のような生活を送っていたが、
たまたま麻薬組織撲滅作戦の指揮を執っていたクズロが、
幹部の養父を射殺し、彼を保護している。

さすがのクズロも最初は憐憫をもって接していたが、
実は
真性の変態で、男娼も本人が喜んでやっていたことが判明。
完全に頭のねじがどこかにいっており、
過激な発言(性的な)を繰り返し、クズロを引かせることもある。

だが、他にクズロが頼れる相手もおらず、
渋々命令を出しては毎回の如く失敗を繰り返す
負のスパイラルに陥っている。